鈴木 由臣
株式会社クレスコ・ジェイキューブ
デジタルソリューションセンター
今回のIBM i 技術情報は、SSDおよびNVMeの寿命の確認方法について記載します。
最近はディスク・デバイスとしてHDDよりも高可用性やパフォーマンスのよさからSSDやNVMeが選択されているようです。そのSSDやNVMeに寿命があるのをご存じでしょうか?
フラッシュメモリでは素子への書き込み回数に上限があり、上限回数に近づくと劣化が進み、最後は書き込みができなくなります。
ディスク・デバイスの耐久性を表す指標として耐用年数までに1日当たり書き込み可能な容量を示すDWPD(Drive Writes Per Day)という値があり、お使いのSSDやNVMeがその指標値にどの程度近づいているのかを確認する方法をご紹介します。
今回はIBM i 7.5でNVMeの確認方法を例にご説明します。
①ユーザーQSECOFRでサインオン
②ディスク状況を確認するプログラムの実行
CALL PGM(QSMGSSTD) PARM(‘NVMEGAUGE’ X’00000009′ ‘SSTD0100′ X’00000000’)
*SSDの場合は、次のパラメータ値で実行します。
CALL PGM(QSMGSSTD) PARM(‘SSDGAUGE’ X’00000008′ ‘SSTD0100′ X’00000000’)
③出力されたスプール内容の確認
・手順②で出力されたスプールを表示します。
・RESOURCE NAME(DCxx)ごとに表示される「PERCENTAGE USED (100% MEANS END OF LIFE)」の値を確認します。
・「PERCENTAGE USED」の値が高いほど書き込み上限回数に近づいています。
100%の場合はもう書き込みができない状況です。
※サンプル画面では、NVMeのデバイスはDC02とDC05の2つあり、両デバイスともに0%なので上限回数に達するにはまだ余裕がある状況だとわかります。
頻繁に確認する必要はありませんが、年に1回確認して「PERCENTAGE USED」の値の増加率を見定めて、今後IBM iを同じ使い方をした場合にあと何年で100%に達するのかを算出してみるとよいでしょう。
【参考サイト】
・SSD
「メインストリームSSDでのIBM i電源ゲージ・ツールの使用」
https://www.ibm.com/docs/ja/9105-41B?topic=drives-using-i-fuel-gauge-tool-mainstream-ssd
・NVMe
「IBM iコマンドを実行して、NVMeデバイスの残りの寿命を確認する」
https://www.ibm.com/docs/ja/power10?topic=devices-running-i-command