ワークフローシステム導入のメリットとは? リプレイスの際の注意点や、実は重要な導入の手順を解説

2024/11/14コラム

人口減少が加速度的に進む今、業務の効率化と生産性向上および従業員の働き方改革は企業が生き残るのに不可欠です。いち早くそうした課題に気づき、ワークフローシステムを導入した企業も多いでしょう。一方で、「システム使用率がどうしても上がらない」、「時代の変化に合わせた社内ルールの変更などにシステムが対応しきれず、手作業で補正する手間が増えた」といった事例も少なくありません。本記事では、本当に自社に合ったワークフローシステムへのリプレイスを検討している方に、ワークフローシステム導入のメリットや導入手順、導入の際の注意点などについて解説します。

ワークフローとは?

ワークフローとは、業務の処理や手続き・やりとりの流れのことです。現在は、より細かく「企業(組織)内の稟議・申請・承認・決裁」の一連の手続きおよびやりとりを指すようになってきました。

ワークフローが注目されるようになったのは、「稟議・申請・承認・決裁」といった生産性に直結しない手続きに、時間や手間がかかっていた状況があります。とりわけ企業規模が大きいと、申請条件や承認ルートがより煩雑化し、業務効率を下げてしまうおそれが高まります。

時代の変化によってビジネストレンドや法規制は変わり、それによって社内ルールも変わります。業務効率を向上させるには、そうした変化に対応するため、ワークフローを随時見直す必要があります。

ワークフローシステムとは?

ワークフローシステムとは、ワークフローを効率化するシステムのことです。具体的には、「稟議・申請・承認・決裁」など、企業内で行われる業務手続きを電子化する仕組みを指します。「稟議システム」「電子承認システム」「電子決済システム」などといわれることもあります。

現在は、デジタル化したシステムが主流となっています。従来、紙ベースで書類を回付し、ハンコで承認・決裁をしていた仕組みをデジタル化したことで、ペーパーレス化と自動化が可能となりました。

なお、ワークフローシステムには、オンプレミスとクラウドの2種類があります。従来はオンプレミスが主流でしたが、近年はクラウドが多く使われるようになってきています。

ワークフローシステムを導入するメリット

ワークフローシステムを導入するメリットは、大きく以下の4つが挙げられます。

■ワークフロー(稟議・申請・承認・決裁)が自動化し、属人化の解消によって業務効率化、人為的ミスを削減
■業務に関する情報を一元管理できるため、情報共有がスムーズになり、コミュニケーションが円滑化
■ペーパーレス化が進み、紙の使用量や印刷・郵送などのコストを削減
■業務スピードが上がるとともに業務プロセスが可視化され、規定外の承認がなくなるため内部統制の強化も実現

デジタル技術の進展により、リモートワークでスムーズに業務が遂行できるようになるのも、もちろん大きなメリットです。さまざまなワークスタイルへ柔軟に対応できるので、個々の能力を最大限に引き出す働き方改革にもつながります。

オンプレミスでも、社外ネットワークにつなげて運用することが技術的に可能になっているなど、従来に比べて構築の柔軟度が高まり、幅広い業務に対応しやすくなってきています。

ワークフローシステムをリプレイスするメリット

すでにワークフローシステムを導入している企業が気になるのは、リプレイスのメリットでしょう。

まず、挙げられるのは、老朽化して低下した性能をアップデートできることです。スピードアップが期待できるほか、必要性が高まっているセキュリティの強化にも対応できます。

時代に合わせて変更した社内ルールにアジャストさせることで、業務効率が大きく向上する可能性も十分にあります。すでに導入しているワークフローシステムの使用率が上がらなかった企業にとっては、社内のワークフローを見直し、改善する好機にもなるでしょう。

また、近年はさまざまなシステムとの連携が重視されるようになってきました。例えば、従業員の住所変更があった場合、ワークフローシステムで申請・承認を行っても、従来は人事システムへ別途入力するのが当たり前でした。しかし、ワークフローシステムのリプレイスによってデータ連携が実現できれば、さらに業務効率が向上するうえ、データの一元管理もできます。

社内だけでなく、社外とのやりとりもワークフローシステムに組み込みたいという企業も増えてきています。セキュアに社外とやりとりできるシステムの構築によって、そうしたニーズにも対応できますので、リプレイスでアライアンスや事業拡張の可能性を広げることも可能となります。

ワークフローシステム導入の手順

自社に適したワークフローシステムを導入するには、手順が重要です。具体的には次のように、大きく5つに分けられます。

1.導入目的の明確化
2.社内規定に合わせた設定ができるか確認
3.社内にシステム導入を周知(システム導入の意義に対する理解を深める)
4.テスト運用(まずは一部の部門でパイロット的に)
5.徐々に全社へ展開

1.導入目的の明確化

まず、導入の目的を明確にしなければ、どのようなワークフローシステムを選定すればいいのか、どのような機能が必要なのかもわかりません。自社のワークフローにどのような課題があるのかを抽出したうえで、「人事の諸届をペーパーレス化する」「経費精算業務を効率化して改正電子帳簿保存法やインボイス制度に対応する」といった具体的な目的を立てることが、ワークフローシステム導入を成功に導く第一歩です。

2.社内規定に合わせた設定ができるか確認

ワークフローシステムの対象業務の明確化や承認ルートの確認、他システムとの連携が必要かどうかを確認することももちろん重要です。しかし、それらが選定したシステムに合わなければ意味がありませんので、その確認を行わなくてはなりません。

そのうえで確認すべきなのは、社内規定に則ったシステム設定ができるかどうかです。もし設定ができなければ、システムのカスタマイズや社内規定の変更も視野に入れる必要があります。システムのカスタマイズは、当初予定よりもコストがかかる可能性がありますし、選定したシステムによっては対応できないおそれもありますので、早い段階で確認することをおすすめします。このアクションは、リプレイスの際にも非常に重要です。

3.社内にシステム導入を周知(システム導入の意義に対する理解を深める)

社内業務にワークフローシステムを導入する場合は、導入の理由や意義を全社にアナウンスし、理解を深めてもらうよう働きかけることが大切です。ワークフローシステムに限らず、新たなシステム導入の際、「自分たちにとってのメリットが見いだせない」ことを理由に協力が得られないというのはよくある話です。それをしっかりケアしておかないと、導入完了が大きく遅れ、当初予定よりもコストが増えてしまった事例もあります。「あの部門が、自分たちの業務を楽にするために導入するのでは」といった無用な反発を招くおそれもありますので、注意が必要です。

4.テスト運用(まずは一部の部門でパイロット的に)

ワークフローシステムを導入する目処が立ったら、実際に動かして確認しましょう。このとき、いきなり全社へ展開するのはあまりおすすめできません。部門によっては、業務負荷が急激に増えてしまうおそれがあるからです。

まずは大きな業務負荷が発生しなそうな業務負荷の発生が小さい部門から、パイロット的にテスト運用を開始するのが、スムーズに導入を完了させるコツです。どのようなシステムであっても、最初は何らかの問題点が生じやすいので、それをひとつずつ確認し、細かく改善していきましょう。

5.徐々に全社へ展開

テスト運用で蓄積したナレッジを生かし、少しずつ導入範囲を広げていくことで、結果的にスムーズな全社導入が実現できます。

ワークフローシステム導入における注意点

導入の目的を明確化することが大切なのは、前項の「ワークフローシステム導入の手順」で説明したとおりです。しかし、その目的の解像度が粗い場合、導入したワークフローシステムでは対応できないケースもあります。

特に注意したいのは、人事給与の諸届や経費精算など業務特化型のクラウドサービスです。カスタマイズが難しかったり、自社で設定しなければならなかったりする場合が多いので、社内規定やそれまでのワークフローに合わない場合もあります。全社展開が遅々として進まず、ワークフローシステムのメリットを享受できないケースも少なくありません。

いったん導入を決めると、決裁をとっていることから途中でプロジェクトをやめられない場合もあります。多少の時間がかかっても、最初に目的を明確化し、それに合ったシステムやお客様企業に寄り添うことができるベンダを選ぶことをおすすめします。

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現在のワークフローシステムは、標準化した仕様が主流ですが、「スマートワークソリューション」は高いカスタマイズ性が大きな特長です。お客様企業がそれぞれ磨き上げてきた業務ルールは、競争力の源泉でもありますので、それに則したシステム構築をし、業務効率化とDX推進をサポートします。

長年にわたって共同開発に取り組んできたIBM製のワークフローエンジンを搭載しているため、テクノロジーのコアな部分まで精通しているうえ、業界を問わず多数のお客様へ導入およびを導入後サポートしてきた実績も、強みの1つです。熟練の技術者を含めたチームで、お客様の課題解決に向けて伴走しますので、ワークフローシステムの導入やリプレイスを通じてさらなる事業成長を目指したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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