T・A
EAMソリューション部
部長
ーー 最初に経歴をお話ください。
T・A 私は2006年に新卒で旧アルスに入社しました。入社してから約5年間は大手金融機関の人事・給与システムの保守担当となり、それ以降はワークフロー・ソリューションを中心に、製造・金融・小売などのお客様のシステム構築・運用・保守に携わってきました。旧アルスでは技術的に目新しい案件が出てくると、私の担当になることが多かったように思います。
ーー 今回お話をうかがうSAP Success Factors事業も、その目新しいことの1つですか。
T・A はい、そうなります。というのはSAP Success Factorsは今回の案件までは当社で扱ったことのないツールで、私にとっても当社にとっても初めての経験だったからです。ただしお客様はそのことを考慮に入れて、むしろ当社の人事・給与システムに関する経験と実績を高く評価されて、今回の人事・給与システムの刷新プロジェクトの担当に指名されてきたと聞いています。私が担当にアサインされたのは、今回のお客様の人事・給与システムをかつて担当していたことがあるというつながりと、おそらく“初物”に強いという経験が買われてのことだろうと思います。
ーー 人事・給与システムというと、どの会社にも共有する要素で構成されていてベンダーの特色を出しにくい領域のように思えますが、そうではないのですね。
T・A 基本的な要素はどの企業でもほぼ同じですが、個々を取り出すとお客様ごとに大きな違いがあります。たとえば人事システムでは社員の数だけ職歴の違いがあり、昇給・昇格の制度や社員個々のスキル、家族構成などもまちまちです。そして今は働き方が多様になっていますから、人事・給与制度も複雑になるのが通例です。つまり人事・給与システムはとても専門性の高い領域なのです。現在、人事システムの刷新を進めておられるお客様は数万人規模の社員数ですから、整合性をもつシステムとするにはかなり細かい仕組みが必要になります。
ーー お客様は今回どのような理由でリプレースに踏み出されたのですか。
T・A 1つはホールディングス傘下の複数の事業会社の人事システムを統合して、市場の変化に即応できる機動的な人事システムを構築すること、もう1つはグローバル対応です。SAP Success Factorsを採用したのは、大規模にスケールする人事システムに対応できることと、タレントマネジメントに関して詳細かつ柔軟な作り込みが行えること、そしてグローバル対応の観点とうかがっています。
ーー T・Aさんのチームではこの3年間、どのような作業を続けてきたのですか。
T・A お客様の要件にあわせてSAP Success Factorsの仕様を定義してカスタマイズを行い、次に既存の人事データをSAP Success Factorsへ投入してテストを行うということを続けてきました。プロジェクトとしては大詰めの段階にきています。
ーー 今回のプロジェクトは、当社にとってどのような意味をもっていますか。
T・A 1つは、人事・給与システム向けの製品ポートフォリオを大きく拡大することになりました。当社では30年近く前からiSeries Site(IBM i版、C/S版)を軸にさまざまなお客様の人事・給与・経理システムをご支援してきました。このiSeries Siteは中堅・中小規模のお客様向けですが、これに今回の大規模向けのSAP Success Factorsと扱い中の「POSITIVE」を合わせると、大規模から中堅・中小規模まですべてのお客様をカバーするツール/ソリューションが揃いました。また、タレントマネジメントでは、SAP Success Factorsに加え別製品についても検討を開始し、適用の幅を拡大させています。
現場の担当者としては、これからは人事・給与システムの規模・内容を問わず、お客様のどのようなご要望にもお応えできるとの思いを深くしています。
ーー ところで、T・AさんはIBM Maximoを扱うEAMソリューション部の部長です。畑違いのSAP Success Factorsを担当することについてはどのような考えですか。
T・A IBM Maximoについては15年以上の経験があり、ビジネスも順調に伸びています。そこで私の部門ではMaximoとは別にもう1つビジネスの柱をもってみたいと思い、部門のチャレンジとしてSAP Success Factorsを担当することに決めました。今回約3年にわたってSAP Success Factorsに関わってきて、iSeries Siteにない技術的な深さとソリューションを経験したので、今後はそれを大いに活用してSAP Success Factors事業を伸ばしていきたいと考えています。
ーー SAP Success Factorsに関して何か目標を立てていますか。
T・A まずSAP Success Factorsに関する認定資格の取得を進めます。それとツールに関するスキルや知見を積むには実プロジェクトの中で切磋琢磨するのが一番ですから、営業担当と連携してSAP Success Factorsの案件を増やしていきたいと考えています。